治癒力

 私たち鍼灸師の行なっている鍼灸の施術にしても内科医が処方する内服薬にしても、その効果は治療を受けた人に依存されています。鍼灸師が患者さんに鍼を刺入することが刺激となり何かしらの反応が生じて、結果として炎症が治まったり緊張が解けたりするわけです。薬も同様に体内に入った成分を十分に活用できるかどうかは患者さん次第なわけです。

 せっかく当院へ足を運んでくださったのだから、少しでも症状が改善してほしいと願いながら施術をしていますが、思ったような結果が得られないこともしばしば。稀にあるからある意味で困るのですが、施術してすぐに痛みが治まるケースがあるのです。毎回、絶対そうなるわけではないから、少しの改善だけでは納得してもらえない方が多くいるのです。

 コロナウィルス用のワクチンも然り。100%罹患しないわけではありません。ワクチンによってウィルスに完全に対抗しうる免疫を獲得するのが目標であるけども免疫抗体が十分に作り出せるかどうかは、やはりその人次第ということになります。

 では、治癒力を高めるにはどうしたらいいのかということになります。この辺りは昔から伝わる「養生」ということになるのでしょうね。食事はバランスよく腹八分目、早寝早起き、適度な運動、ストレスのない日々。どう考えても現代人にはどれかが欠けるような気がしますね。