うつ病の原因はウィルスだった

 非常に面白い本でした。うつ病を取り上げた本は他にも何冊か読んでみたのですが、昨今私たちの体の中でウィルスがどんな働きをしているのかが徐々に明らかになっていく中で、インフルエンザとかコロナウィルス感染症のような目に見て過激な症状を起こすものだけでない病気のメカニズムという点で非常に面白かったです。

 以前うつ病の治療として頚椎症が原因だという本も読みました。こちらも実際に治療に取り組んでおられるドクターの本でしたから単なる机上の空論ではありません。

 発熱するのに原因は一つではないように、うつ病を起こす原因も一つじゃないのは当たり前だと思うんですが、原因も一つ、治療手段もオンリーワンのものを見つけ出すことが目標になってる感じがしてその辺りには違和感を感じます。

私の中の日本軍

かなり古い本なんですが、非常に多くのことを考えさせられた本でした。

軍隊の中で新兵が廃人となっていく仕組みだとか、戦闘行為を続けることとはどう言うことなのかとか、日本刀が実はあまり使い勝手の良い兵器でないこととか。

ちょっと検証すれば矛盾だらけのことをさも事実のように報道してきたマスコミのこと。

最初にこの本が出版されてからかなりの年数が経っているのに、今も世の中はほとんど変わっていないと感じさせられた一冊でした。

論語と算盤

旬なものというか、ミーハーなものというか。私の住む埼玉県の隠れた英雄である渋沢栄一翁の有名な著書である。

高校時代には夏目漱石の小説を読んで文章の言い回しが全く頭の中で解釈できずに混乱した覚えがあるので江戸末期から近代日本の夜明けを生きた渋沢栄一翁の思いが読み取れるか不安。今は読み始めたばかりなのでまだなんとも言えないが、中世の日本から近代の日本に変わった時のこの国のエネルギーはどれだけだったのかと思う。

読み終えたら続きを書くことにします。

高熱隧道

 先日、黒部の太陽をDVDで観まして、その後黒部ダムについて色々と調べ始めた時に、映画の中でもちょっとだけ触れられている黒部第三ダムのことを題材にした小説があることを知りまして早速読みました。

 未開の地を切り拓くことがどれだけ大変なことか、文章を読みながら自分なりに理解したつもりです。今もなおトンネル工事は行われているけども技術革新でこの時代のような過酷な状況ではなくなったのかもしれない。通り過ぎてしまえばあっという間のトンネル、掘削時には1日で1m程度しか掘れなかったこともあったようです。多くの人の努力と犠牲の上で我々の快適な生活が送れていることに改めて感謝。

スマホ脳

 久々に読んだ本のことを書いておきます。新潮新書から出ていますアンデシュ・ハンセン著、久山葉子訳の「スマホ脳」です。著者は私と同い年でスウェーデンの精神科医。私たち「ヒト」という生物の作り上げてきた身体機能と現代社会とのギャップがどれだけかということを思い知らされた一冊でした。

 もともとスマホがない時代があって後から自分の人生の中にスマホが加わった場合と生まれてから当たり前のように存在している人と想像以上の差があるようです。私の娘たちにスマホを持たせるにあたりどのようなスマホとの付き合い方を教えられるかと思案している今日この頃。

日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術

 目からウロコの内容で、毎日している洗濯はタイトル通り間違いだったと思いました。便利な道具だけど使い方を間違えてる洗濯機。本の中に記載の手順通りに洗濯してみたら確かに結果が違うのです。「便利に使える=正しい使い方」ではないですね。

 お米を研ぐのも昭和では考えられなかったことで、今は精米の技術が進歩して軽くすすぐだけで良いとか。白く出るのはデンプンだそうです。なので透明になるまでお米を洗ってしまうと美味しくないご飯が出来上がってしまいます。

 洗濯機に入れっぱなしにするから雑菌が繁殖する。必要以上に入れた洗剤が衣類を痛めているとか。確かにこれを変えただけで部屋干ししても匂いはしなくなりましたし、衣類の色がくすむこともなくなりました。

 改めて、日常生活を見直しましょう。

自衛隊防災BOOK

マガジンハウス刊。去年も大きな災害に見舞われたからというわけではなく、書店の軒先に平積みになっていたのですが、インターネットのLIFE HACK CHANNELでも本に記載されているテクニックがアップされていて非常に役立つ話が盛り沢山。知っているようで知らなかったサバイバルのテクニックを覚えることは有意義だと思います。スマホでなんでも調べれば大丈夫と思っていても意外にいざという時に使えないこともあります。やはり自分の頭と体で覚えておけば緊急時にスマホのバッテリー残量を気にする必要はありませんので。

詭弁論理学

高校生の時に読んだ本で古い本なのですが、名著だと思います。無茶苦茶な話を展開されても反撃できるように一読されることをお勧めしたい本です。中公新書刊、野崎昭弘著。

完全に逃げ場のない魔女裁判の話は高校時代は面白く感じていましたが、大人になってから読み返すと恐ろしさを覚えます。

暴力に訴えることなく論争で物事を解決しようとするのは個人レベルだけでなく国家レベルでも行われていることですが、日本では権力を持っている側がとにかく反対意見や、自分の中にないアイデアを持つものを排除するだけで議論がないことをみなさんも良くご存知でしょう。

いや、日本だけではないですね。今や独裁国家が世界中でどれだけあることか。

無病法

ルイジ・コルナロ(1464〜1566)をご存知だろうか?中世ヨーロッパで102歳まで生きたベネチアの貴族。この当時の貴族は彼自身がそうだったように贅沢三昧で不健康極まりない生活をしていた。45歳を過ぎたころ、彼は身体中に痛みやら胃の不具合やらを医者に訴えたのだがその治療法は不摂生をやめることだった。「食べるものにしても飲み物にしても通常は病気の時にしか摂らないものを口にするのだが、ごく少量に限る。」

コルナロはこれを実践し、健康と長寿を手にした。

血糖値を下げるためのホルモンはインスリン1種類だけ。逆に血糖値をあげるものは何種類か存在する。絶食状態でも生き残るための手段が今も我々の遺伝子に組み込まれている。現在の日本のような毎日3食プラスαの食事など、地球上の生物の歴史の中でありえなかったことです。必要最低限の食事が本来の生物の姿なのかもしれないと考えさせられる1冊が、栄養学の専門家からすれば相当な反対意見が出るんでしょうけども。

水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない

新コーナー(?!)「読書の時間」です。頻繁に読むわけではないのですがそれでも興味を持った本の感想などを書いておこうかと思いました。

第1回の本は「水をたくさん飲めば、ボケは寄りつかない」(竹内孝仁著・講談社刊)です。

竹内さんは国際医療福祉大学大学院教授(本に書いてあるプロフィール)で、この内容は我々の誤った考え方を一変します。認知症が改善すると言うのが衝撃的でした。認知症で現れる異常行動は、脱水症で生じる異常行動とほとんど変わらないということ。飲水をすることによって症状が改善するというのです。最初は半信半疑でしたが、本を読み進めて行くうちに自分の知っている医学知識と照らし合わせることで納得させられる内容でした。家に高齢の家族をお持ちであればぜひともご一読いただきたい。

人の体の60%は水だと言うのは多くの方の知っているところかと思いますが、赤ちゃんは70%もあります。小さな手がぷくぷくしているのを見れば納得できるかと思います。老人では50%まで減ってしまいます。普通、大人で1%の水が失われただけで体に異常をきたしはじめます。ちなみに2%失われると発汗が止まります。汗をかかなくなるので暑くないと感じるでしょう、この間に体内では熱中症の症状が進み始めます。

8%も体から水が減ったら幻覚症状が出ることもあります。ワケのわからないことを口走る老人は「認知症」と思われますが、若い時から徐々に減っていき、若い時と比較して10%も水が少ない老人は誰でも脱水症と隣り合わせです。