家族の愛

 ある患者さんのおばあちゃんが危篤になったそうだ。病院での適切な処置で気管挿管して経鼻栄養をしているが一命はとりとめ小康状態が続いている。患者さんは男性で心臓の疾患がある。10年くらい前に心臓の手術を受けたのだが、心臓の病気がわかった時におばあちゃんは彼に「私の心臓をあげる」と言ってたそうだ。自分の身を差し出してでも子供や孫を助けたいという気持ち、これほど大きな愛があるんだろうか。

 一方では、自分の子供を虐待し死に追いやる父親がいる。刑法に照らし合わせて逮捕し裁判を受けさせて何かしらの刑罰が与えられたとしても、そこには愛がないでしょうね。愛情をかけてもらえずに大人になった人は、他人に対する愛情のかけ方が分からない。

 私の想像ですが、昔の日本では口減らしに我が子を手にかける親がいましたし、年頃の娘を身売りする親もあったわけで、理由は多岐に渡るでしょうけど、愛情をかけてもらえない人は大昔から存在していたと思います。現代社会になってその数が少なくなっただけなのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です